- 2022年9月11日
『SERVICE ご依頼事例 007』
夏季休業中ですが、フィッシングベストの補修を承りましたのでご紹介致します。
O様わざわざお声がけ頂きありがとうございます。
休業中でもDMやメール等を頂ければ連絡を取り合いどこかで待ち合わせをして、、、という流れで対応させて頂けることもございます。
ご要望ございましたらお気軽にお声掛けください。
脱線致しましたが、今回のご依頼はこちらです。

補修前
所謂、街着としても見られるようになってきたフィッシングベストではありますが、今回のオーナー様もばっちり釣り人です。
背面のポケットにルアーケースを入れることが多くステッチが外れてきたり、摩擦の多いアームホールのステッチも負荷がかかってきていました。
その他にもボタンの欠損等々、細かい修理箇所が多数ございました。
穴があいてしまっている部分はかけはぎではなく、たたきでの対応になる旨を伝え対応をさせて頂くことになりました。



補修前
今回のフィッシングベストはL.L.BEANのもの。タグから推測するに30年代のものになります。
現在のミシン糸はポリエステルが主流であり、1940年代後半から使用され始めています。
それ以前はコットン糸がミシン糸として使用されていました。
つまり今回のベストにポリエステルのミシン糸を使用すると違和感が生まれます。
(念のために燃焼実験も行いました。燃やすとポリエステルなら一瞬で溶けケミカルな臭いがします。コットンはゆっくりと燃え、臭いはありますが悪臭という感じはしません。)
違和感を生まないために可能であればコットン糸を使おうと感じ、探したところ何とか見つかりました。
ボタンもプラスチックではなく、尿素ボタンを用意。
(所謂、一般的な手芸屋さんにはあまり出回っていない為、糸だけ欲しい、ボタンだけ欲しいという方もお声がけ頂ければ対応させて頂きたいと思います。)




今回のご依頼と共に約90年前(軽く一世紀前)のものをお直しさせて頂くという貴重な体験をさせて頂き誠にありがとうございました。
可能な限り生地の負担にならず、再度お直しができるように対応をさせて頂きました。
これでまた趣味の時間のお供として楽しんで頂ければ幸いです。
SERVICEに関してですが、一定のSERVICE以外には値段の設定がありません。
何故なら一着、一着つくりも違い、どのような需要があるかも定められないからです。
透明性が余りなくご不便をお掛けしますが、最初にご予算をお伝えさせて頂きます。
そこから、どうするか、逆にお安くできる方法はあるかなど、寄り添ったお直し生産を心掛けています。
(仮に衣服ではなくとも、バッグ類、キャンプ用品等も是非ご相談下さい。)
モノで溢れてしまっている世の中。
低価格で新しいモノを買う事も容易になり、買い替えるという選択肢を選びやすい時代です。
その分、いろんな思い出が詰まったモノは数少ないかと思います。
共に時を刻んでいける相棒のような衣服や道具はやはり格好が良いなと私たちは感じます。
是非、その衣服と長年を共にするお手伝いをさせて頂ければ光栄です。
ご要望やご相談等はお気軽にお問合せください。
E-mail → 307.san.maru.nana@gmail.com
- 2022年9月4日
ご無沙汰しております。
少しずつですが、過ごしやすい気候になってきました。
夜の音も夏から秋を感じられる今日この頃。みなさまいかがお過ごしでしょうか?
6、7、8月の3か月間は刺激的な、、、とも言えず、かと言って怠慢をしている、とも言えない日々を過ごしています。
考えたくないことを考えたり、いろんな感情が込み上げてくることもありますが、何とか平常心を保っています。
そんな日々の中である映画を見て感銘しました。
簡潔にまとめてしまうと、今まであった文化に新しい技術が組み込まれいく。というなんの変哲もないことを題材にした映画です。
しかし主人公は今までの技法だからこそ、その文化はアートであり、自分の仕事なんだと進化を拒み我が道を進んでいきます。
そんな彼に周りは付いて行くことはなく、どんどん孤立をしていきます。
片やその主人公に感化され、その文化の世界に足を踏み入れた若者は新しい技術を受け入れ、成功への道を進んでいきます。
若者の成功を横目で見ながら、主人公は自暴自棄する中で『自分は何をしているのだ、何をしてきたのだ。』と自分に問いかけます。
そしてついに吹っ切れた主人公は新しい技術を受け入れ、また一からその文化の世界に進んでいきます。
映画を見ながら自分も主人公のように『これ以上技術の進化をする必要がないのでは?』という思考を持っていた時期があり、過去のものに憧れや尊敬の気持ちを持っていました。
幸いいろんな方と話す機会も多く少しずつ技術の進化を受け入れるという気持ちが自分にも芽生えていました。しかし受けいれるということが出来てもそれを取り入れるということが中々出来ず、モヤモヤはずっと残ったままでいます。
先ほどの映画を見てずるいなーっと(語彙力がなくすいません。笑)感銘を受けた点はこの映画がモノクロ映画であり、且つサイレントであること。そして2010年代に公開された映画だということです。
そして何より『過去の技術を使いながら進化(前進)していく姿勢を伝える』ということです。
この映画を見た後、不思議と先ほど記したモヤモヤが少し紐解けました。
307はものづくりという観点では現在何一つ実績がありません。これから新しい形で何かお披露目できればと前進する姿勢になる映画であり、夏となりました。

さて、ここから少しずつ10月のOPENに向けて情報を発信していきます。ご期待に応えられる何かがありましたら幸いです。
- 2022年5月21日
GUCCI レザーシューズに関して
現在、DMやご来店の際にもお問い合わせ頂くことが多いこちらのシューズ。

GUCCI SHOES
『靴=専門メーカーで』という考えが基本ではありますが、秀悦なものでしたので仕入れられずにはいられませんでした。
まだまだ小さな307へ通信販売をご希望の問い合わせもあったりと感謝の気持ちで一杯です。
しかし衣服と違いサイズ感というものを数字だけでは伝えきれず(衣服も数字だけで伝えきれませんが)ご不便をおかけしております。
靴はサイズを間違えてしまうとストレスを感じやすく、『履く』という行為が難しくなるもの。
いろんな方法を模索しましたが、一度履いて頂くということ以外にはその解を見出せません。
307では通信販売の際、返品も承っております。一度決済をして頂き、室内のみでのご試着でご判断をお願い致します。
返品の際には307で検品をし、著しい汚れ等が無ければご返金をさせて頂きます。
ご希望の方には詳しくDMにてお伝え致します。
一つの指標として、革靴をUS 6D、JP23.5のサイズで履いているスタッフがこちらを履くと


若干大きいがストレスなく履くことが可能
↑この靴には硬い芯が入っていないので余白からのストレスを感じにくいです。
といった具合です。恐らくではありますが上記のスタッフより一つ大きいサイズの方たちがジャストフィットだと予想しています。
繰り返しになりますが、靴はサイズを数字で伝えきれません。
ご検討中の方にとって一つの指標になればと思いこちらに綴らせて頂きました。

もし、ご興味がございましたら下記よりお気軽にお問い合わせください。
307 e-mail: 307.san.maru.nana@gmail.com